『ナルニア国物語』

ナルニア国物語』を見た。

ライオンと魔女―ナルニア国ものがたり〈1〉 (岩波少年文庫)

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映像は『ロードオブザリング』や『キングコング』のスタジオ制作だけあって非常にクオリティが高い仕上がり。とはいえ、特にそれらを越えるものでもなく、もはや映像で感動することはほとんど無いのが残念。一番のウリであるところのライオンがフルCGである点などはとても凄いことなのだが。デザイン面では、『ロードオブザリング』よりも鮮やかな色が多く、よりファンタジー色が強めな印象。鎧兜の形状など要所要所で非常に面白いものもあり、多くのガジェット全体がデザインで埋め尽くされた『ロードオブザリング』よりも、個々のデザインが際立って見えた。

ストーリーに関しては正直期待していなかったのだが、一見硬派で大人向けのくせにあまりにもご都合主義的でつまらなかった『ロードオブザリング』に比べ、『ナルニア』の方は子供向けで対象が明確なせいか、物語もシンプルでそれなりにまとまっているように感じた。ライオンが○○するくだりなどは「なんじゃそりゃ!」だが、まあ、物語の起伏はちゃんと作られているし、『ハリーポッター』ほどはしょりすぎで性急な感じでもないテンポで進むので、最近の大作映画の中では比較的ちゃんとした作品ではないかと思う。

まあ『ロードオブザリング』も一作目はそれなりに評価しているので、三部作全部見ると同じような感想になってしまうのかもしれない。そもそも、今さらクローゼットの扉から異世界へみたいな手垢のつきまくった物語を本気で楽しめるほど若くも無いのだが。

ディズニー配給ということで、残虐シーンが大幅に制限されるという話もあり、戦闘シーンなどはどうなることやらと思ったが、それなりに迫力のあるシーンとなっており、まあ死んでる演出はあるわけで、要は血とか見せなきゃそれでいいんだみたいなテキトーなレイティング意識で制作されているような印象。同じくディズニーが配給したリメイク版『南極物語』では、実話ベースなのに犬を殺さなかったのに、『ナルニア』では動物結構一杯死んでるし、意外にOKなんだなと思った。

南極日誌 [DVD]

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あと、主人公の兄弟姉妹のキャスティングがなかなか秀逸。各人のビジュアルの個性はなかなか面白く、役柄にもマッチしている。しかし普通のライオンが大将ってのもなんだかなぁ。敵の女王も側近少なくてしょぼい感じだったし。全然関係ないけど敵のボスの取り巻きが少なくてしょぼいと言う点で『スターゲイト』をちょっと思い出したよ。

スター・ゲイト〈dts版〉 [DVD]

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これらを制作したWETAデジタルは『エヴァンゲリオン』の実写版を製作中であることでも有名だが、キャスティングも含め、なかなか楽しみ。

NEON GENESIS EVANGELION DVD-BOX (仮)

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