『エクソシスト』

やっと見た『エクソシスト』。

エクソシスト ディレクターズカット版 [DVD]

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とはいえ、もう数回見ているのだが、数年前に公開された、未公開映像を含め再編集したいわゆるディレクターズカットバージョンは初めて。まあ未公開カットといっても一番のウリのスパイダーウォーク(リーガンがブリッジして階段下りてくるやつ)も当時CMで何度も見たのでインパクトも特に無し。
でも久しぶりに見てもやっぱり良く出来た映画だと思う。使い古された評価だが、ホラーに品格を与えた作品だといえる。(スパイダーウォークは間違いなく作品の品格を下げているが…) 

作品に品格を与える要素としては、
最初に発掘されたパズスの像がどう物語に関連しているかを具体的に説明しないみたいな観客の想像に委ねる部分のバランスや、具体的なモンスターが出てこないで、結局のところ人間の内面に帰結するような邪悪なるものを描き出していること、役者の演技力など様々な要素がある。
それに加え、2000年からの歴史を持つキリスト教をバックボーンとした厚みのある世界観も重要な要素で、ここに関しては、キリスト教圏の人間にとってどれほどの説得力をもつものなのか聞いてみたい気もする。

『ロッキー』のスタローンに似ているせいか、ロッキーと同じようなトレーニングウェア姿になって、劇中でボクサーみたいと評されるカラス神父が何気にとても印象深い。

悪魔祓いの師匠となるメリン神父の跡をついで最後には悪魔に打ち勝つもああいう結果にならざるをえなかった哀しさや、精神科医と神父の両方の肩書きを持っていたり、母親を死なせてしまったことで悩んでいたりといったバックボーンとあいまって非常に深みのあるキャラクター造形だと思う。

メリン神父の過去を描いた『エクソシストビギニング』は未見。

エクソシスト ビギニング [DVD]

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こちらはあまり評判はよろしくないが、見てみようかな。その前に『エクソシストⅡ』、『エクソシストⅢ』もあるな。『エクソシストⅡ』はりーガンのその後を描くというどうでもいい感じの内容なのだが、『エクソシストⅢ』は最初のサイコスリラーとも言われており、割と面白そう。
エクソシスト2 [DVD]

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エクソシスト3 [DVD]

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