神様ゲーム

ここ数年、『このミステリがすごい』という年末に出版される雑誌のランキングを見て年始に読む本を決めるというのが習慣になっている。今回１位の『容疑者Ｘの献身』はすでに読んでいたということもあり、それほど食いついた本は無かったのだが、上位の中でレビュー等を読んでいて一番気になった本をとりあえず購入してみた。それが麻耶雄嵩『神様ゲーム』。

神様ゲーム (ミステリーランド)

ジュブナイルミステリなのに子供に読ませたらいかんだろみたいなコメントが多かったのが特徴で、なにやら大仕掛けがあるらしいということで、期待して読んでみた。文字数も少なく、あっという間に読めるのだが、確かに子供向けではない。別に内容が残酷だから子供に読ませたくないといっているわけではなく、ミステリにあまり触れたこと無い子供がいきなりこんなの読んだらいかんだろという意味。
あらすじなんかは検索すれば丁寧なのがいくらでも出てくるのでここにはちゃんとは書かないが、まあ大雑把に書くと、主人公の小学生の同級生に神様を名乗る、何でも知っている少年がおり、ある殺人事件の犯人を指摘するのだが…、最後はあまりにも意外な事実が浮き彫りにされるというお話。まあある意味、核心を読者の手に委ねる手法で、色んな相関関係を想像できる余地も計算されていて非常にマニアックなわけです。
こういったメタミステリのようなものはミステリマニアにはとても楽しめるのですが、初めての人にとっては、非常に”ほったらかし”感が強く、ミステリ嫌いになっちゃうんじゃなかろうかと心配になってしまいます。まあどうでもいいんですが。