『エターナルサンシャイン』

『エターナルサンシャイン』を見た。

監督はカイリーミノーグのミュージッククリップなんかで有名なMTV監督のミシェルゴンドリー。彼のミュージッククリップを集めたDVDは大好きで、仕事しながらBGVとしてずっと流していたこともある。
DIRECTORS LABEL ミシェル・ゴンドリー BEST SELECTION [DVD]

DIRECTORS LABEL ミシェル・ゴンドリー BEST SELECTION [DVD]

特徴は、CGを使わず、アナログ的な手法で不思議なトリック映像を作り上げる点で、この技はは『エターナルサンシャイン』にもいかんなく発揮されている(ように見える)。監督作としては2作目で、初監督作の『ヒューマンネイチュア』の方はあまりに評判が悪いので実はまだ見ていない。脚本は上記2作も手がけており、『マルコビッチの穴』ではアカデミーオリジナル脚本賞を受賞したチャーリーカウフマン。『マルコビッチの穴』は前半とんでもなく面白かったが、後半はぶっとびすぎてついていけなかった覚えがある。
で、『エターナルサンシャイン』の話だが、大雑把に言うと、ケイトウィンスレット演じる気まぐれで衝動的なクレメンタインは、ジムキャリー演じる恋人のジョエルに嫌気が差して、彼の記憶を消してしまう。それを知ったジョエルは、クレメンタインが記憶消去を行った会社を偶然知り、彼女の行動を知って、同じく彼女の記憶を消してしまおうとする。しかし、記憶を消す作業の過程で、彼女との楽しかった出来事も思い出し、徐々に記憶を消すことに反抗し始め…といった物語。記憶を消す施術中の演出として、背景がどんどん消えていったり、舞台が急に変わったり、振り返ると別の場所にいたりといったミシェルゴンドリーっぽい映像トリックが盛りだくさんで面白いし、時間軸をバラした編集(あまり詳しく書くとオチのネタバレになってしまうが)も効果的。ジムキャリーのもの悲しい感じを見ていて、記憶喪失になってしまう脚本家を演じた『マジェスティック』を思い出した。『ショーシャンクの空に』のフランクダラボンテイストが良い感じに出ていて、ノスタルジックで切ない良い映画。
ショーシャンクの空に [DVD]

ショーシャンクの空に [DVD]

マジェスティック [DVD]

マジェスティック [DVD]

物語というか、映画全体の印象としては、キャメロンクロウ監督の『バニラスカイ』に近いものを感じた。音楽もなんとなく似てるような気もするが、やはり『記憶』を『人為的に』操作するというネタが共通している。これも書きすぎると『バニラスカイ』のオチをバラしてしまうことになるので難しいが…。ちなみに『バニラスカイ』は『オープンユアアイズ』というスペイン映画のリメイクで、こちらも面白いのだが、『バニラスカイ』の方が情緒的な演出が効いていてオチも効果的に演出されていると思うので好き。
オープン・ユア・アイズ [DVD]

オープン・ユア・アイズ [DVD]

そういえば『オープンユアアイズ』のアレハンドロアメナバール監督の『アザーズ』のオチがまんま○ッ○○○○○だったのにはガッカリだったなぁ。
アザーズ [DVD]

アザーズ [DVD]

そもそも記憶をテーマにミステリー的に味付けされた物語は個人的に大好きで、仕事で製作した某XBOXのアクションアドベンチャーゲームのストーリーとしてそういったネタを最後の大オチに使ったりしたこともあるほど。これもタイトル書いてしまうとネタバレになるので書けませんが…。なんだか話が拡散してきたので今日はこの辺で。