『笑いの大学』 『ナショナルトレジャー』

一見全く関係の無さそうな2本の映画を並べてご紹介。
まずは、先日観た『The有頂天ホテル』つながりで、『笑の大学』。

笑の大学 スペシャル・エディション [DVD]

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三谷幸喜脚本、役所広司稲垣吾郎主演、『古畑任三郎』シリーズや『世にも奇妙な物語』シリーズなどのTVの監督歴の長い星護監督作。
警部補 古畑任三郎(1) [DVD]

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物語は、戦中の日本で、喜劇に命をかける脚本家と、劇の上演許可を出す役所の検閲官のやりとりを通して、面白いとは何かとか、人を楽しませることの価値みたいなものが描かれる。
今まで笑ったことも無いという検閲官が、最初は上映を止めさせようと、いやがらせめいた脚本の直しを要求するが、その直しを聞き入れた上でさらに面白い本を書き上げてくる脚本家とのやりとりの中で、喜劇の面白さに次第に魅入られていくという流れがとても面白おかしく演出されている。さすがに舞台で人気だった作品の映画化だけあって、脚本の洗練度などは素晴らしく、また映画なのに舞台っぽい演出で見せきったのも画面に個性をもたらしていて、良い感じ。最後もこの時代ならではのキレイなオチが決まっていて、素晴らしい作品なのではないでしょうか。
ちょっとやりすぎというか演出過剰なところがハナにつく部分もあったりはしますが、まあ演劇だと思えば許容範囲かと。これは舞台で見たら大爆笑でしょうな。

ちょろっと調べてみると、この稲垣吾郎演じる喜劇作家にはモデルがいたそうで。喜劇王エノケンこと榎本健一の座付作家、菊谷栄という人。エノケンこと榎本健一の劇団の座付き作家として活躍し、検閲に泣かされながらも喜劇王エノケンの全盛期を陰で支えていた人らしい。彼も『笑いの大学』の椿一同様、○○されてしまったそうです。(一応ネタバレになるので伏せておきます)
よく知りませんが、小松政夫演じる「さるまた失敬!」の座長のモデルもエノケンなのかもしれません。


で、『笑いの大学』とは一見何の共通項も見出せない『ナショナルトレジャー』もついでに書いておく。

ナショナル・トレジャー 特別版 [DVD]

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唯一共通するのはどちらも嫁さんが見たい映画だったということ。
ザ・ロック』『コン・エアー』の製作ジェリーブラッカイマー、ニコラスケイジ主演コンビということで、そんな感じの映画。
ザ・ロック 特別版 [DVD]

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コン・エアー 特別版 [DVD]

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といっても先行する2作には遠く及ばないデキなのは間違いない。
配給がディズニーなので、なんというか先のとがっていないプラスチック製のおもちゃみたいな安全なアクションが逆に新鮮(悪い意味で)。一番近いのは『グーニーズ』かも。
グーニーズ 特別版 [DVD]

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まあこちらは子供をターゲットに、子供が主演でわかりやすいアドベンチャーなので、何の問題もないのだが、『ナショナルトレジャー』の方は、ネタは『ダヴィンチコード』や『インディジョーンズ』などでもおなじみのテンプル騎士団の秘宝がどうこうみたいな内容で、宝の地図はアメリカ独立宣言書の裏に書かれている(あぶり出しなのが笑えます)というような最近の大人向けのネタになっていて、それでこの子供じみたアクションじゃダメなんじゃないかというところ。
ダ・ヴィンチ・コード ヴィジュアル愛蔵版

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(↑ダヴィンチコードに登場する絵や建物の写真がついた特別版 これはオススメ)
アドベンチャーズ・オブ・インディ・ジョーンズ コンプリートDVD

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『ナショナルトレジャー』自体は突込みどころをいちいち書いてたらえらいことになりそうなので、割愛。主人公の名前がゲイツなのが一番笑える(むこうじゃ普通の名前なのかも知らんが)。あと、相棒の青年のキャラがちょっとよかった。有能なのか無能なのかわからないところが。マークウォルバーグを整頓したような顔。
それから、DVD特典映像で、よくあるやつなんだが、「もう一つのエンディング」というのがあって、なんてことない別バージョンのエンディングが収録されているんだが、このエンディングが選ばれなかった理由として、「続編がありそうだと思われたくないから」というのが監督のコメント。よっぽど続編作りたくなかったのか知らんが、ちょっと聞いたこと無い理由だなと。続編要望されたら、当然作るでしょ、みたいなのが商業的にあたりまえだと思うんだけど。内容的にも製作者の志などカケラも感じられないようなつくりなのになぁ。
まあ結論としては、こういうの見ると、どれだけ『インディジョーンズ』シリーズが優れていたかを再認識させられるということですな。

なんとなくダラダラ書いてれば、『笑いの大学』と『ナショナルトレジャー』の接点がもしかしたら見つかるかと思ったけどやっぱり無理っぽいので、このへんで。


そういえばデスノート実写映画化らしい。実写にするとアラがいっぱい目立ちそうな気がするが、まあ楽しみではある。死神どうするんだろ…。

DEATH NOTE デスノート(1) (ジャンプ・コミックス)

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