『アルタードステーツ』
変態トリップ映像ならおまかせのケンラッセル監督作『アルタードステーツ』
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15年ぶりくらいぶりに見たら意外と笑える映画だった。
主人公は自分の深層に何が潜んでいるのかを知るためにネイティブドラッグをきめて、水槽(イニシエーションタンク)に沈む実験を繰り返すうちに先祖帰りして猿になってしまうというお話。まあ有名な映画なのでこれくらいのネタバレは大丈夫かな。キチガイ丸出しの論理をまくしたてる主人公、人間の奥底に触れると、猿になるというなんとも短絡的なネタなど正直かなりのバカ映画なのだが、それなりに緊張感のある演出と、今見ても見事な特殊メイクのおかげで、意外と楽しめる映画に仕上がっている。さすがに猿になったシーンは『北京原人』なのだが。
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また、薬でトリップするシーンでは、CGの無い時代に様様なテクニックを駆使して撮影されており、CG全盛の今見ると逆に新鮮なイメージを喚起させる興味深い映像となっている。このへんはケンラッセル監督お得意の分野。
ただ、この『アルタードステーツ』はケンラッセルがアメリカで撮影した作品だそうで、割とエンターテイメント寄りに作られたものなのかもしれない。数本しか見てないが、本家イギリスで撮っていた頃の『白蛇伝説』とか『ゴシック』はもっとイっちゃった感じだった気がする。
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この『ゴシック』は「1816年、ロマン派の詩人パーシーシェリーと駆け落ちしたメアリーは、ジュネーヴ近郊のバイロンの館、通称ディオダディ荘を訪れた。連日の雨続きでうんざりしていた彼らは、怪奇小説でも書こうという話になり、メアリーは『フランケンシュタイン』を、そしてバイロンの主治医ポリドリーは『吸血鬼』を書いた…。」という古典ホラー好きなら一度は耳にしたことのある有名なエピソードを映画化したもので、まあ映画の方は『フランケンシュタイン』創作の秘密というよりは男女の耽美な幻想を描くことに注力しており、個人的にはちょっと期待はずれだったがまあこれはこれで楽しめる。
フランケンシュタイン Hi-Bit Edition [DVD]
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